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2009年1月20日 (火)

男が消える? 人類が消える?

NHK スペシャル | シリーズ 女と男 最新科学が読み解く性 の最終回。

男を作る Y染色体が退化している。Y 染色体は自滅する。

  • 持っている遺伝子の数が X 染色体の 1098に対し、Y 染色体は 78しかない。元々、染色体の大きさは同じだった。
  • 遅くとも 500万年から600万年で完全に消える。実際はもっと早くなる可能性が十分にある。

Y 染色体はほかの染色体と異なる特別な伝わり方をする。

  • X 染色体は、雌雄のお互いの遺伝子を交換し、それぞれの特徴を少しずつ持った新しい染色体として次の世代へ引き継がれる。
  • Y 染色体は一つしかないため、単純なコピーが作られ、引き継がれていく。

世界最大の爬虫類、コモドオオトカゲは 2年前に処女懐胎した。

  • 大型動物が雌だけで子孫を残せるとはこれまでの常識であり得ないとされてきた。

哺乳類は雌だけで子供を作ることが出来ない。

  • 胎盤が精子に含まれる遺伝子の命令によって作られるため。Y 染色体を持つ雄がいないと胎盤を作れない。

雌が二つ持つ X 染色体は交わることが出来るが、雄の Y 染色体はペアの X 染色体と交わることが出来ない。

  • Y 染色体は、父から息子へと雄の間に引き継がれていくうちにコピーミスが重なり、退化を続ける。

哺乳類でもアマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミは Y 染色体を失っても生き延びている。

  • 突然変異が積み重なって偶然起きたことであるため、ヒトが同じような未来を辿るとは考えられない。
  • 自然界には偶然に頼る以外、Y 染色体が生き延びる方法はない。

人間の精子の質が極めて悪くなってきている。

  • 一般的に精子の 85%に異常がある。
  • 正常な精子のうち、うまく泳げるのは 3割から4割しかいない。

デンマークの調査では男性の 20% が不妊。40% が不妊予備軍。日本での調査でも同様のデータが出ている。

  • WHO の基準では、精子の濃度が 1ml 中、2000万個を下回ると不妊に該当する。
  • 4000万個以下が不妊予備軍。

人間独自の進化。

  • チンパンジーの仲間は乱婚が基本。雌は複数の雄と結ばれる。雌の子宮の中で複数の雄の精子が一つの卵子を目指して激しい競争を繰り広げる。
  • 一夫一妻の関係を取り入れた人間には、精子同士の競争がない。手間暇の掛かる子育てを男と女が協力して行うために恋愛のメカニズムを発達させたため、質の高い精子を選び取って次世代に伝える仕組みがない。
  • フィンランドでは過去5年の間に 27% も精子の濃度が下がっている。これは一夫一妻で説明できるものではなく、環境などの外的要因が疑われている。

体外受精や顕微授精が精子の質の劣化を加速させかねない。

  • 精子を人為的に選ぶ顕微授精では精子への競争圧力が掛からず、質の劣化が避けられなくなる。
  • 生殖技術に頼るようになると、次の世代には技術がもっと必要になる。
  • イタリアでは規制法によって、生殖医療はカップルに限る、受精卵の冷凍保存禁止、第三者からの精子や卵子の提供禁止とした。他の先進国では法律によって規制していない。

一方、アメリカでは今、子作りに男性が必要ない考える女性向けのビジネスが成長している。

  • 精子バンクで預かっている精子は、有名大学出身者のものばかり。
  • 精子バンクのホームページから、外見、性格の特徴、職業など、好みのドナーを自由に選べる。
  • 女性の同性愛者二人と男性の同性愛者二人に、それぞれの女性から生まれた子供が二人という家庭など。

やがて消えゆく男の定め。テクノロジーをどのように使っていくのか。或いは使わないという覚悟を決めるのか。

以上、NHK スペシャルから。

最後にはえらく大きな話になってしまった。

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